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「世界中がため息」宇宙に向けたロケット飛行の失敗 | 鳳凰の羽

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「世界中がため息」宇宙に向けたロケット飛行の失敗

      2017/09/12

「世界中がため息」宇宙に向けたロケット飛行の失敗

1958年にソ連がスプートニクロケットによって世界初の人工衛星を打ち上げたことでスプートニク・ショックが起き、宇宙開発競争が始まりました。1961年にはソ連がボストークロケットによりユーリイ・ガガーリンが搭乗したボストークの打ち上げを成功させ、世界初の有人宇宙飛行を成し遂げたのです。これから次々とソ連やロシアがロケットを打ち上げるのですが、ソユーズだけでも5回アポロ計画でも2回の失敗が起っています。今回は、宇宙ロケット計画における失敗についてまとめてみました。

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宇宙ロケットの失敗|ソユーズ1号

ソユーズ1号は1967年4月23日に打ち上げられたソビエト連邦の有人宇宙船である。
宇宙飛行士としてウラジーミル・コマロフが搭乗していたが、地球帰還時に死亡した。彼は有人宇宙飛行の歴史における、最初の飛行中の事故による死者である。
ソユーズ1号は宇宙船の姿勢検知装置に異常が生じ、宇宙船の操縦が困難になった。
ソ連上空を通過してすぐにソユーズ1号は逆推進ロケットを噴射して地球周回軌道を離脱したが、ほとんど宇宙船を制御することができなかった。メインパラシュートは開かず、手動で展開した予備のパラシュートも、減速用のパラシュートと絡まってしまい開かなかった。ソユーズはほとんど減速することなく秒速40m(時速145km)で地上に激突した。
激突と共に爆発が生じ、カプセルは激しい炎に包まれた。落下地点では農民達が駆けつけて消火に当たったが、コマロフは衝突によって既に死亡していた。

引用元-宇宙開発における悲惨な死亡事故とその概要 ? Damonge

宇宙ロケットの失敗|ソユーズ開発は米ソ冷戦時代

ソユーズは、それまでのボストークやボスホートと違い、クルーの意志で自由に飛行高度や姿勢を制御することができる。それはランデブーや船どうしのドッキングには不可欠な能力で、その後の宇宙開発のためには避けて通れないものだった。

開発開始から5年ほど経った1966年、テスト飛行にこぎ着けようとしていた。
シナリオとして、「まず無人のソユーズを2機たて続けに打ち上げ、周回軌道上でドッキング、その後切り離し、双方の帰還カプセルを無事に帰還させる。その後、有人で飛行を行い、クルーの一部が乗り移る」というものが設定された。

引用元-ソユーズ1号

このソユーズは改良型のR−7ロケットの先端にセットされ、軌道上へ打ち上げられる。この姿は、多少の細部の変化はあるが、現在も変わっていない。ある意味“完成された形”だが、当時は様々な面で“完成された”にはほど遠かった。「クルーの制御による運動能力がある」とはいえ、高度に自動化されており、ドッキングなど、キーとなる行動は自動化が基本だった。だが“高度に自動化”というと聞こえがよいが、裏を返すと、クルーを信頼していないということだ。
これはそれまでのソ連の有人機でもそうであった。「人間は間違いを犯す」という信念が根強かったため、重要なコントロールは全て地上からの信号で行うように設計させていた(勿論、非常時用にマニュアルモードは設置されていたが)。それ故システムにも問題が多かった。当時の、突貫の、しかもソ連の技術である。未熟な部分が多すぎ、不安定さはかなり残っていた。
ちなみに米国は逆で、ジェミニ宇宙船ではクルーにかなりの自由度が与えられていた。
また、平行して、最初に乗り込むクルーの選択も進んでいた。1966年秋までに、記念すべきソユーズ1号の搭乗員としてウラジミール・コマロフ、そのバックアップ(予備クルー)としてユーリ・ガガーリンが決定された。
ガガーリンとは勿論、人類初の宇宙飛行を行った彼だ。また、続けて打ち上げられる2号には3人の飛行士とそのバックアップ要員達が選別された。

引用元-ソユーズ1号

宇宙ロケットの失敗|ソユーズ1号の悲劇

宇宙飛行士ウラジーミル・コマロフ(Vladimir Komarov)はソユーズ1号で地球を飛び発った時、自分が二度と生きて帰れないことは百も承知でした。
それを見守る人類初の宇宙飛行士ユーリー・ガガーリン(Yuri Gagarin)も。

引用元-死ぬとわかっていながら宇宙に飛んだ、旧ソ宇宙飛行士コマロフの悲劇 – Ameba News [アメーバニュース]

ガガーリンと上級技師らがソユーズ1号を検分してみたところ、構造上の問題は203点見つかった。問題は深刻で宇宙航行は危険だ。ミッションは延期すべきだ、とガガーリンは進言した。
問題は誰がブレジネフにそれを伝えるかだ。そこでガガーリンは10ページのメモにまとめ、KGBで一番の親友Venyamin Russayevに渡した。が、それを指揮系統の上司に上げる者は誰もいなかった。そのメモを見た人間は、Russayevはじめ全員が降格・辞職させられるか、シベリアに飛ばされたのだ。

誰が見ても決死の任務でしたが、コマロフは「自分が乗る」と自ら名乗り出ます。断ると、代わりに乗せられるのが親友ガガーリンとわかっていたからです。
1967年4月23日、打ち上げの日、ガガーリンは打ち上げ場に姿を現し宇宙服を着ると言って騒ぎます。「急にわがままを言い出した」とロシア人記者は報じましたが、その場に居合わせた人の中には自分が代わりに乗ると言って騒いだと言っている人もいます。

結局コマロフが乗り、やがて予想通りの事態 —アンテナは開かず、電源が失われ、進路をとるのもままならない事態を迎えます。

引用元-死ぬとわかっていながら宇宙に飛んだ、旧ソ宇宙飛行士コマロフの悲劇 – Ameba News [アメーバニュース]

宇宙ロケットの失敗|アポロ13号

地球出発後2日目(地球から321,860kmの距離点)、月に到着する直前4月13日に機械船の2基ある酸素タンクのうちの一つが酸素タンク撹拌スイッチをONにした時に突然爆発を起こしました。もう一つの酸素タンクも損傷し、酸素が漏れ始めます。酸素は乗員の生命維持だけでなく宇宙船の制御等に必要な電力を作るためにも使用するためアポロ13号にとって致命的といってよい大事故でした。
はじめは隕石とでも衝突したのかと考えていたアポロ13号の搭乗員たちは、管制センターからの連絡で重大な事態にあることを知らされます。酸素残量は刻々と下がり、数時間後には機械船の酸素タンクは完全に空になってしまうと考えらました。もし機械船の酸素がなくなってしまったら、司令船に搭載されている分を使うしかありませんが、司令船の酸素は地球帰還時に機械船を切り離したあと、大気圏再突入の際に使用されるもので約10時間分しかありません。そのため管制センターは、司令船の機能を完全に停止させ、緊急対策として月着陸船に避難するよう飛行士たちに指示しました。この手順は地上での訓練では何度も行なわれていましたが、まさかそれを実行する時が来るとは誰も思っていませんでした。
後日の調査で判明するのですが、アポロ13号の酸素タンク事故の原因は、”1本のネジを外し忘れた”などと説明されています(Wikipediaなど)が、実際はいくつもの要因が重なったことによって発生したことが明らかにされています

引用元-アポロ13号の奇跡:Metamorphose Planet:So-netブログ

宇宙ロケットの失敗|アポロ13号の失敗の原因

アポロ13号に使用した第2酸素タンクは、元々アポロ10号として用意されていたものであった。 アポロ10号の設計変更で、13号に流用した。
据え替えの時に技師が1本のネジを外し忘れ、 移動の時に無理がかかってタンクは5cm程落下した。 この落下時に、タンク内部の酸素供給ラインの継手が緩み、隙間ができた。
液体酸素を充填する前に中の残留酸素をパージ(排除)する手順で、上記隙間のため、パージしきれなかった。対応策として中のヒーターで温度を上げ、パージした。このパージ中に攪拌用ファンの電源線のテフロン被覆が溶け、銅線が露出してしまった。
この時、サーモスタットで 85°Fに抑えられるはずの温度が サーモスタットの故障で1,000°Fまで上昇。
サーモスタットは28VDC用の製品を、65VDCで使用したため、アークが飛んで溶着、接点が開かなかった。最初28VDCで設計、途中から65VDCに変更したが、誰もサーモスタットの定格電圧の違いに 気がつかなかった。
みんな隙間があっても大丈夫かということに気を取られた。
離陸後、「極低温攪拌」の確認作業でファン動作の電源が入った時、露出した銅線で火花が飛び、発火した。
酸素雰囲気内で 激しくテフロンが燃え、タンク上部まで達して小爆発もしくは酸素の噴出が起こったと推定される。

引用元-失敗事例 > アポロ13号

宇宙ロケットの失敗|アポロ13号ぎりぎりの命綱

元々アポロ10号用であったタンクを13号に流用するため、設計変更で据え替えした時に、技師が1本のネジを外し忘れたという、ささいなことが事故原因の出発点であった。
13号のクルー達は、急遽月面着陸の予定を変更、月でUターンして、わずかに残った酸素、水、電力を利用して からくも地球に生還した。

引用元-トム・ハンクスが好演したぎりぎりの生還劇−アポロ13号の事故 – takumi296’s diary

事故は、アポロ計画の中でも特筆されている事故である。そのため、後に「輝かしい失敗(successful failure)」と呼ばれるようになった。NASAの地上スタッフと宇宙船クルー達の努力の結果であろう。

私は、この事故の時は7歳であり、リアルタイムでは記憶にない。1995年7月22日に日本で公開された映画「アポロ13号」がなければ、そのまま忘れていた事故かもしれない。
あの映画は、アポロ13号の船長だったジム・ラヴェルが原作者であり、本人もラストの方で出演している(強襲揚陸艦イオー・ジマの艦長役)。また、当時の関係者達も驚くほど装備やセットが忠実に再現されていたらしい。

引用元-トム・ハンクスが好演したぎりぎりの生還劇−アポロ13号の事故 – takumi296’s diary

まとめ

そして現代。ロケット打ち上げの成功率は高い水準で昨年は世界で行われた打ち上げ87回のうち、82回で軌道投入に成功しています。そしてロケット業界では「悲劇から学ぶ」という意志は現在でも受け継がれているそうです。

twitterの反応


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