重曹を置くだけでなぜ消臭できるの？計り知れない重曹パワー ！

お掃除の定番アイテムの一つになっている重曹。テレビや雑誌、コラムにネットコンテンツなど、色々な場所で定番のお掃除方法として紹介されています。お掃除に重曹が活躍するのはわかっているけど、どうして消臭効果もあるのでしょうか？掃除や消臭、料理にも使えるなんて…ずいぶん万能なんだなと思いますよね。そして、そもそも重曹ってなに？という疑問が湧いたりもして。そこで今回は、重曹の底の知れない奥深い効果と、消臭の仕組みについてまとめてみました。

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重曹ってなに？成分や効果とは

重曹は100円ショップでも手に入るくらい、私たちの生活に身近な物になっていますが、そもそも重曹とはなんなのでしょうか？重曹は「炭酸水素ナトリウム」が正式名称で、電気分解した食塩に二酸化炭素を入れて作られます。重曹には、掃除用と食品用の2種類があります。その違いはと言いますと、食品用の重曹は食べられることができて、お菓子やお料理に使われます。きめが細かくサラサラとしていて、不純物もほとんど配合されていません。食品用の重曹は、口にするものなので製造過程での衛生面や安全基準もしっかりと整っています。

一方、掃除用の重曹がどうかというと…食品用よりもきめが粗く、より汚れが取れるように他の添加物が入っている傾向にあります。そして、食用として作っていないので安全性は低いです。掃除用を口にしてしまったからと言って、すぐに体調に影響が出るというわけではないですが、製造過程や内容物を見ると体に良くないし安全ではないことは明らかです。どっちを買えばよいのか迷う時は、効用としてはどちらも同じなので、食品用を選べば安心して使えるかと思います。

食用であれば、万が一口にしてしまっても心配はいりませんし、お料理にも使うことができますので便利です。また、重曹はクエン酸と混ぜてお風呂に入れれば、発泡入浴剤にもなります。重曹とクエン酸が中和することで二酸化炭素が発生し、血流を促進、疲労回復、重曹が毛穴のお掃除をしてくれて、肌の老廃物を除去してくれるのですべすべツルツルのお肌になりますよ。かの有名な桁外れのゴージャス姉妹も、重曹とクエン酸を入れてお風呂に入ると以前テレビでお話ししていたくらい、美容には間違いなく良いアイテムです。

また、お風呂の入浴剤として使うと、皮脂などの油汚れを綺麗に取ってくれるので、後のお風呂掃除が楽になるという嬉しい結果にも♪さらには、重曹は火を消すこともできるので、消火器の中身に使われていることもあるようです。重曹の原料である炭酸水素ナトリウムはもともと人間の体にある物質なので、胃薬としても使われるとても万能な存在でもあります。では、なぜ重曹が汚れを落としてくれるのか？というと、アルカリ性である重曹は酸性汚れである油汚れを中和することで綺麗に落とすことができます。

そして、生ごみや靴・汗などの酸性の臭いも中和して消臭してくれるのです。つまり、酸性の汚れや臭いにはとにかく重曹はとても相性が◎ということです！それに、重曹は粒子が細かく水に溶けにくいので、重曹を汚れに付けてこするだけでクレンザーの役割を果たしてくれます。さらに、重曹を温めると二酸化炭素が発生するので、この性質を利用して汚れや焦げ付きなどを浮かせて剥がし、落とすことができるのです。

消臭の仕組み

重曹はお料理にもお掃除にも使える優秀選手なのですが、消臭効果も高いことで有名です。そもそも臭いは、4大悪臭と呼ばれる種類に分けられます。尿や汗の臭いの原因であるアンモニア、腐敗魚の臭いのトリメチルアミン、硫黄や下水・口臭・生ごみの臭いである硫化水素、腐敗玉葱やニラの臭いであるメチルメルカプタンに分類されます。中でも一般的な悪臭と言われるものの7割は、アルカリ臭(塩基性臭)です。ですが、私たちの生活の中には、酸性の臭いもたくさん存在しています。

例えば、体臭、汗、足や靴の臭い、生ごみの臭い、タバコ臭などです。そして、消臭にも種類があり、場所や対象物に合わせた消臭方法を選ばないと、上手に消臭することができないのです。
消臭には1．脱臭炭などの原理である吸着消臭、2．重曹やクエン酸などを使った化学消臭、３．良い匂いで悪臭を誤魔化す感覚消臭の3種類があります。

臭いは小さい粒状になっていて、その粒を鼻の内部器官に取り込まれることで臭いを感じることができます。吸着消臭の場合は、その匂いの粒を脱臭炭などにある小さな穴に取り込み、空気中の臭いの粒を減らすことで臭いを減らすという仕組みになっています。この臭いの粒は、酸性かアルカリ性かが決まっています。酸性の臭いの粒にはアルカリ性の物を使い、アルカリ性の臭いの粒には酸性の物を使ってそれぞれ中和して消臭するというのが化学消臭です。しかし、感覚消臭では匂いの粒を減らすことはできません。

良い匂いがすることで悪臭がしなくなったように「感じる」ため、「感覚消臭」と呼ばれます。この感覚消臭は、大きく2つに分けることができます。マスキング法とペアリング法の2つで、これらをうまく使えば部屋の臭いに対処することができます。

重曹も、こういった方法を取り入れて使うことでより効果的に臭いを消すことができるようにもなります。マスキング法は、部屋中を良い匂いで満たすことで悪臭が消えたように感じさせる方法で、代表的なものが芳香剤です。悪臭をより強い匂いで誤魔化すという方法なので、強い匂いが苦手な人は嫌煙しがち。昔の消臭対策は大抵この方法だったので、芳香剤の臭いがやたらと強かったのです。

ですが、これは臭いの悩みを根本的に解決できているわけではないので、悪臭への悩みは解消されないままになってしまいます。そのため、最近ではあまり使われなくなった消臭方法です。ではペアリング法はどうかというと、悪臭の粒を良い匂いの粒に取り込んで消臭できたように見せる方法です。

この方法なら、強い芳香剤を使う必要もなく、部屋も必要以上に臭くなることもありません。最近の芳香消臭剤では、このペアリング法を取り入れた消臭方法になっています。ペアリング法は化学消臭と似ているので、臭いの粒や原因を消すことができ、どんなきつい匂いでも消臭することができます。しかし生ごみなどの悪臭は取り除くことはできません。消臭方法には、このようにいくつかのタイプがあるので、あなたの生活に合わせた方法を選ぶと、良い効果を発揮してくれますよ。

重曹を置くだけで消臭できるのか

消臭方法にも種類があるというのに、なぜ重曹では汚れを落とすだけではなく消臭もできるのでしょうか？それは、重曹には「中和作用」と「静菌作用」という2つの作用があるから。臭いは、中性に近ければ近いほど臭いがありません。中和作用というのは、酸性である生ごみの腐敗臭や汗の臭いに対して、重曹のアルカリ性が匂いの粒を中和して無臭へと変化させる作用があります。

同じアルカリ性臭であるアンモニア臭にも消臭効果を発揮します。この場合は、酸と塩基の影響を緩和させて㏗をほぼ一定に保つ緩衝作用という特殊な作用で、中性へと変化させることができるのです。そのため、重曹はあらゆる臭いに対して消臭効果を発揮してくれるのです。また静菌作用というのは、雑菌が繁殖するときに発する悪臭を、重曹がその活動を抑えることで防ぐという方法です。最近が繁殖するには水分が必要不可欠ですが、重曹は湿気を吸い取ってくれる効果もあるので、雑菌が繁殖しづらい環境を作るのにも一役買ってくれていて、そのうえで消臭効果も発揮してくれているのです。なんて頼もしい存在なのでしょう！

置くだけで簡単！重曹消臭方法

ではここで、重曹の活用方法についてお伝えしたいと思います。重曹は基本的に置くだけで十分消臭効果を発揮してくれます。重曹を置いて消臭するやり方はいたって簡単です。

用意する物
・空き瓶や深さのある器など
・重曹

以上を用意したら、空き瓶や器の3分の1くらいまで重曹を入れるだけです。あとは、湿気や臭いが気になるところに置いておくだけ！冷蔵庫の中や下駄箱、クローゼット、寝室、トイレなどなど場所はどこでもOKです。重曹が吸い取る湿気は器の上部だけなので、定期的に重曹をかき混ぜて、吸い取った水分を拡散するようにしましょう。これに、ガーゼや紙ナプキンを被せて、リボンや可愛いヘアゴムなどで口を止めれば、ホコリやごみが入るのを防ぐ効果と倒れてもこぼれる心配がなくなります。

さらに、お好みでアロマオイルを数滴垂らせば、お部屋に良い香り広がりますよ。また、使わなくなった靴下に重曹を1/2カップ入れて口を縛り、靴の中に入れておけば、靴の消臭剤にも！一晩入れておくだけで靴の臭いだけでなく汗も吸ってくれます。重曹が湿気を吸って固くなったら交換してください。

この他、排水溝や生ごみに直接かけて消臭することもできます。また、洗濯物を何日分か溜めてから洗う場合、溜めている洗濯物に直接重曹を振りかけると臭いを抑えることができます。洗濯するときはそのまま洗えば、衣類がふっくら柔らかく仕上がります。また、重曹は犬のドライシャンプーにも使えます。ガーゼに重曹を包んで、ペットにポンポンとたたくようにして付けていきます。そしてブラッシングをしてから濡れタオルで拭いてあげればOK！汚れを落として臭いも消すことができます。ですが、重曹には塩分が含まれているので、使う時は舐めてしまわないように十分注意をしてください。

重曹を使う際の注意点

ただ置くだけで消臭が出来てしまうという重曹ですが、使う場合にはいくつかの注意点があります。重曹の効果を最大限に発揮するためにも、きちんと守るようにしましょう。

・重曹は水に溶かすと1か月、粉のままだと3か月程度で消臭効果が無くなってしまいます。置き型として使う場合は、季節の変わり目に交換をするようにしましょう。

・重曹で臭いを消すことはできますが、汚れをそのままにしておけば元の木阿弥です。重曹でも取り切れないくらいの臭いが出てきたら、きちんと掃除をするようにしましょう。定期的な掃除と重曹を組み合わせることで、日々快適に過ごすことができるようになるということを忘れてはいけません。

・肌が弱い人は、肌がかぶれたりしてしまうので手袋を付けるようにしましょう。

・アルミ鍋に重曹を使うと、黒く変色してしまいます。木や畳に使うと、黄色いシミになることもあります。ワックスが塗ってあるフローリングに使うと、ワックスがはがれてしまう可能性があります。漆器や大理石・宝石に使うと傷がつくことがありますので、使用しないようにしましょう。

・重曹は湿気を吸収して固まってしまうので、保存するときは密閉して直射日光に当たらない場所に置きましょう。

まとめ

重曹は、基本的に人にも動物にも優しい素材です。その上、お掃除にも使えて、美容にも使えて、消臭にも使えて、部屋の香り付けにも使えて、お料理にも使えて、お洗濯にも使えて、消火にも使えて…なんて万能なのでしょうか！一つあれば、相当幅広く使えるので、お家に常備しておいても損はまずありません。さらにお値段も安いというのが、重曹へのポイントアップです。ぜひ重曹を上手に活用して、快適なお家にしてください。